「日本の魅力を世界へ伝えたい」という思いで活動するトラベルインフルエンサー。Instagramでは40万人以上のフォロワーを抱え、日本ならではの風景を世界中に発信するアカウントとして国内外問わず多くの支持を得ている。
Instagram:kyoko1903
千代田区に造詣の深い"ちよだ人"をゲストに迎え、千代田区内のおすすめのスポットを伺う「ちよだ人と街歩き」。個性豊かなちよだ人から多種多様なスポットを紹介してもらいます。
今回迎えるのは、40万人以上のフォロワーを誇るトラベルインフルエンサーのKyoko Uedaさん。Kyokoさんが発信する、移り変わる四季や風情ある街並みを収めた数々の写真は、日本の魅力を改めて再発見させてくれます。そんなKyokoさんはフィルター越しに千代田区の街をどう切り取るのでしょうか。Kyokoさんが過去に訪れた千代田区のスポットや、今後訪ねたい現在注目中のスポットを教えていただきました。
九段下駅から徒歩5分の「千鳥ヶ淵緑道」。春になると緑道内に植えられたソメイヨシノやヤマザクラなど約260本の桜が咲き誇り、辺りを鮮やかに染め上げます。さらに区営の「千鳥ヶ淵ボート場」があり、ボートに乗って花見をすることも可能。Kyokoさんも、ボートから桜を見上げる人々の様子を写真に収めています。春の陽光を浴びながら、ボートを漕いで風を感じるのはなんとも心地よさそう。
そしてKyokoさん自身も、ボート上から桜のトンネルをくぐる瞬間を撮影しています。
「この写真は以前『千代田のさくらまつり』に行ったときに撮影したものです。いつも、訪れる場所に合わせて洋服を考えるのですが、この日は桜に合わせて桜色のスカートをコーディネートしました。」とKyokoさん。
千鳥ヶ淵緑道(千鳥ヶ淵) 詳しくはこちら
住所 | 東京都千代田区三番町2先 |
営業時間 | 千鳥ヶ淵ボート場は3月1日から11月30日までの11:00~17:30 ※営業時間は、時期によって異なります。 |
「『みたままつり』では、このずらっと吊るされた黄色い提灯を写真に収めたくて伺いました」そう言ってKyokoさんが見せてくれたのは、提灯の前で浴衣を着て佇んでいる写真。「ちなみに、浴衣や着物を自分で着付けられるようになったのはInstagramを始めてから。神社などは、より日本らしさが伝わるように浴衣や着物を着て伺うことも多いですね」とKyokoさんは語ります。外国人のフォロワーが半数を占めるKyokoさんは、日本でしか見ることのできない風景に重きを置いて撮影しているのだとか。
夏の風物詩として親しまれる「みたままつり」は、九段下駅から徒歩5分の「靖國神社」で行われ、毎年7月13日から16日まで催される予定です。写真からも分かるとおり、高くそびえる提灯の壁は圧巻。
期間中は3万を超える提灯に加えて懸雪洞(かけぼんぼり)が掲げられ、光に包まれた境内は幻想的なムードに一変。また、神輿振りや青森ねぶた奉納などが執り行われるほか、参道では盆踊りや夜店が祭事を盛り上げます。
ネオンが色彩豊かなこちらの写真は、秋葉原駅の電気街南口から中央通り方面に向いて撮影された一枚。
「普段は四季を感じられるように自然を取り入れた写真が多いんですが、ピカチューの傘をゲットできたので、アイテムにマッチする写真が撮りたくなったんです。」
また、秋葉原では総武線の鉄道橋下で撮影された写真も。
「このときは、人の映り込みを避けるため朝方に秋葉原を訪れました。人が映り込むか否かで、写真の与える印象って全く違ってくるんですよね。」そうKyokoさんが話す通り、この一枚からは普段は人々で賑わう秋葉原の街とは違った表情を感じられます。
「洋服は風景に溶け込ますか、差し色にするかで考えることが多いですね。困ったら、赤か黄の洋服を選ぶと間違いないような気がしています(笑)。」
「この写真は、以前『星のや東京』さんに宿泊したとき、『天空朝稽古』というアクティビティに参加したときのものです。地上160メートルのビルの屋上で、東京の街を見下ろしながら剣術を学べるんです。なかなか他では味わえない、特別感のある体験でした。」
大手町駅より徒歩2分の立地に施設を構える「星のや東京」は、星野リゾートが唯一都内に展開する日本旅館。地下2階、地上17階からなる館内は、畳敷きの玄関や伝統的な和室、各階のお茶の間ラウンジ、最上階の温泉で構成されています。モダンでありながら伝統が息づくデザインが特徴。日本文化を身近に感じられる体験や、日本旅館らしいおもてなしを提供しています。
剣術の動作と深呼吸を組み合わせた「天空朝稽古」は、宿泊利用者であれば体験料無料。全身の筋肉を大きく動かしながら、肺機能を刺激することで、身体を気持ち良く目覚めさせてくれるのだとか。江戸時代、大手町には武家の上屋敷が並んでいたことや、「江戸三大道場」と呼ばれる剣術道場があったことにちなんで「天空朝稽古」を始めたのだそう。
視界を遮るビルや柵が一切ないシチュエーションで行う「天空朝稽古」。スカイツリーをバックに木刀を構える写真に収められるのは「天空朝稽古」ならではです。
日本各地へ赴き、日本独自の風景を発信してきたKyokoさん。今後、新たに訪ねてみたい場所も伺ってみました。
「今年の夏は、神田明神で開催される『神田明神納涼祭り』に行ってみたいですね。去年も行きたいと思っていたんですが、行きそびれてしまって。」
御茶ノ水駅から徒歩5分の「神田明神」で、毎年8月に行われる「神田明神納涼祭り」。昨年から秋葉原の街と連動し、アニソン盆祭りや、アーティストによるライブなど、エンターテイメント性の高い催しとして生まれ変わりました。さらに、境内には多種多様なグルメが楽しめる屋台も。
「東京には由緒ある神社仏閣が多く残っていて、そこではさまざまな祭事が根付いていたりする。そういう日本の文化をSNSを通して海外の方に伝えていきたいんです。」
「歴史を感じられる建物を見るのが好きで、よく出向いているんです。今日もここに来る道すがら『九段会館テラス』を見かけて、外観に惹かれて思わず寄ってしまいました。」
Kyokoさんが外観に魅了されて立ち寄ったのは、九段下駅から徒歩1分のところにある「九段会館テラス」。
1934(昭和9)年に建設された「九段会館」は、かつて劇場や宿泊施設、宴会場として利用されていました。その後「九段会館」の一部を保存、復原しながら新築棟を増築し、2022年10月「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」としてリニューアルオープンを果たしています。現在は、オフィスを中心にレストランや結婚式場として活用。地下1階で営業する「九段食堂」では、栄養バランスが考えられた定食メニューや、サラダボウルを展開。農家から直接仕入れたオーガニックな食材でつくったヘルシーなメニューを楽しめます。
「東京って新しい施設ばかりあるように思われがちですが、実は利用目的を変えて活用されている施設もたくさんありますよね。そういう建物が今後も増えていったらいいな、と感じていて。街並みから日本の歴史を感じられたら、それが結果的に海外の方にも日本の魅力として伝わるような気がしています。」
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