皇居・東京駅・日比谷 明治生命館
1934(昭和9)年 岡田信一郎
明治生命館は昭和3年(1928)に建設が決定し、指名コンペ方式により、東京美術学校(現東京芸術大学)教授の岡田信一郎氏の設計案が採用されました。
鉄骨鉄筋コンクリート造、地上8階地下2階建て、軒高約31m(100尺)のオフィスビルで、昭和5年に工事に着手。岡田信一郎は昭和7年(1932)急逝したため、当初から設計に参画していた弟の捷五郎がそれを引き継ぎ昭和9年(1934)に竣工しました。
この種のビルは大正から昭和初期に多数つくられましたが、この建物は列柱が建つ外観や顧客用の大空間を内部に持つ点が特徴であり、特に質の高い代表的な建築です。明治期以降に洋風意匠を導入した我国の建築の一つの到達点とも言うべき建築であり、昭和期に建てられた建造物としては初めて国の重要文化財に指定されたものです。
【外観】
主要な意匠は古代ギリシア・ローマを源とする古典主義様式でなかでも、お濠に面した5層にわたる巨大なコリント式の列柱は印象的です。列柱には、エンタシスが施されており、上に行くほど細くなっています。
【内観】
1階は大空間となっており、古典主義的な意匠で構成されています。各種大理石が用いられており中央部からガラス屋根のトップライトが降り注いています。
2階の回廊には大理石が使われておりますが、応接室、執務室、会議室、食堂には主として木材が使われています、
【歴史】
第二次世界大戦期、昭和16年(1941)から始まった金属回収令では、意匠的に優れた金属製品の多くが供出されました。
戦後、GHQ(連合軍最高司令官総司令部)にアメリカ極東空軍司令部として接収され、昭和21年には第一回対日理事会が開かれました。
【公開】
明治生命館の1階店頭営業室や、対日理事会の会場となった2階会議室をはじめとする執務室、応接室などの文化的価値の高い主要室を見学することができます。また、資料・展示室にて明治生命館の建築、明治生命館の建設に携わった人々、明治生命館の歴史についても詳しく紹介しています。
公開日時は、9時半~19時(最終入館18時半) ※ただし12月31日~1月3日およびビル電気設備定期点検日等は休館
INFORMATION基本情報
- 所在地東京都千代田区丸の内2-1-1
- アクセス東京駅丸の内南口より徒歩5分
有楽町駅国際フォーラム口より徒歩5分
○明治生命館の公開について (明治安田生命公式サイト)
http://www.meijiyasuda.co.jp/meiji