皇居・東京駅・日比谷 イベント 出光佐三、美の交感 ―波山・放菴・ルオー

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出光美術館 展覧会

INFORMATION基本情報

開館時間 10:00〜17:00
※金曜日は19:00まで
※入館は閉館の30分前まで
会期 2024年6月1日(土)~7月7日(日)
入館料 一般1,200円/高・大生800円
中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)
※6月1日(土)~6月7日(金)は「学生フリーDays」を開催します
※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です
休館日 毎週月曜日
場所 出光美術館
アクセス JR「有楽町」駅 国際フォーラム口より徒歩5分
東京メトロ有楽町線「有楽町」駅/都営三田線「日比谷」駅 B3出口より徒歩3分
東京メトロ日比谷線・千代田線「日比谷」駅 有楽町線方面 地下連絡通路経由 B3出口より徒歩3分
公式ウェブサイト https://idemitsu-museum.or.jp/

出光美術館の軌跡 ここから、さきへII

出光佐三、美の交感
―波山・放菴・ルオー

展示概要

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  • 令和6年(2024)12月をもってしばらくのあいだ休館する出光美術館。最後の一年は、4つの展覧会によって同館のコレクションの粋を紹介しています。第2弾となる同展では、創設者・出光佐三(1885-1981)と同時代を生きた作家たちの活動に、スポット・ライトを当てます。 佐三は、日本・東洋の古美術を蒐集することに情熱を傾ける一方で、同じ時代の作家たちと親しく交流し、彼らの制作活動に寄り添いました。その代表的な存在が、板谷波山(1872-1963)と小杉放菴(1881-1964)の2人です。彼らと佐三の関係は、一方が出資し、もう一方が作品でそれに報いる、というものとはいささか異なります。双方が深い信頼と敬意を寄せつつ、ときに芸術のあるべき姿を語り、互いの感性を深く響かせあった結果として、いくつかの珠玉の作品が生み出されました。 淡く清らな光のなかに優雅な文様を浮かび上がらせ、あるいは東洋の古陶磁に学びながら新しい表現を目指した波山のやきもの。そして、油彩画と膠彩画(日本画)の2つの方法で、東洋の理想像を追い求めた放菴の絵画。同展では、彼らの作品の数々を、生きた時代を佐三と共有し、やはり佐三がその作品の蒐集に意を注いだ2人の画家、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)とサム・フランシス(1923-94)の絵画とともに楽しめます。
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    彩磁アマリリス文花瓶 板谷波山
    日本 大正時代中期

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    淡黄磁扶桑延壽文花瓶 板谷波山
    日本 昭和10年(1935)頃

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    出関老子 小杉放菴
    日本 大正8年(1919)

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    湧泉 小杉放菴
    日本 大正 14年(1925)

展示の構成

1.美の交感のはじまり
―板谷波山・小杉放菴と出光佐三

波山の作品にはじめて接し、その精彩に魅せられた佐三は、波山と親交を結ぶようになります。また、昭和5、6年(1930、31)頃には、放菴の山水画に触れ、みずからが愛好する江戸時代の禅僧・仙厓(1750-1837)などの絵画に通じる趣を感じ取ったことで、やがて放菴とも交友を持つようになりました。ここから、美の交感がはじまってゆきます。

2.新鮮な表現を求めて
―西洋との出会い

近代日本美術の歩みは、西洋から押し寄せる新しい文化の波とどのように向きあうかという大きなテーマとともにありました。この章では、新鮮な芸術様式や表現技術に対する飽くなき探究と実践のさまを、板谷波山と小杉放菴それぞれの作歴に探ります。
波山は、当時流行していたアール・ヌーヴォーやアール・デコなどの意匠を日本陶磁へ導入することを試み、モダンな造形感覚と卓抜した彫塑の感性は、やがて波山独自の「葆光彩磁」というマット調の新たな作風へと結実してゆきます。そして、放菴は洋画家・五百城文哉(1863-1906)のもとで修練を積んだのちに32歳で渡欧し、フランスの壁画家、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-98)の夢幻的な絵画表現を色濃く受け継ぎながら、油彩画家としての実績を重ねてゆきました。

特集 日本画のような表現
―ジョルジュ・ルオーとサム・フランシス

初期作では不条理な社会とそこに生きる人間の苦悩や悲哀を主題にし、晩年には慈愛に満ちた女性像やキリスト像などを描いたフランスの画家、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。そして、鮮明な色彩を画面に散りばめたアメリカ抽象表現主義の画家、サム・フランシス(1923-94)。出光コレクションで異彩を放つ2人の絵画ですが、これらの蒐集もまた、出光佐三による美の交感のたまものといえます。佐三は、ジョルジュ・ルオーの強い輪郭線に日本画との共通性を、また、サム・フランシスの象徴的な“余白”に仙厓の禅画のような深い精神性を感じ取ったことで、自分のコレクションに迎えることを決めたのです。

3.東洋への回帰と創造
―古くて新しい表現

板谷波山は、日本陶磁史に例を見ない意匠表現を生み出すとともに、中国陶磁を中心とする東洋陶磁や工芸品、茶道具などの研究を積み重ね、その学習成果を青磁や白磁などの制作に活かしました。それらは単なる古典の再現にとどまらず、豊かな創造性に満ちています。その作陶姿勢には、欧州の芸術様式を研究したからこそ、幼い頃より慣れ親しんだ東洋陶磁の美しさや茶道具への敬意があったものと思われます。
大正2年(1913)、青年油彩画家としてパリに留学していた小杉放菴は、文人画家・池大雅(1723-76)の傑作「十便図」の複製を目にしたことをきっかけに、日本・東洋の絵画の表現に傾倒することになります。これ以降、油彩画では主題と表現に東洋的な情緒を加味し、膠彩画(日本画)では麻の繊維で漉いた中国伝来の麻紙の上に清澄な彩色を施す手法によって、東洋の理想的な絵画世界を追求しました。

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