飯田橋・九段・市ヶ谷・北の丸 九段坂
『 新撰東京名所図会』には「九段阪は、富士見町の通りより、飯田町に下る長阪をいふ。むかし御用屋敷の長屋九段に立し故、之を九段長屋といひしより此阪をば九段阪といひしなり。今は斜めに平かなる阪となれるも、もとは石を以て横に階を成すこと九層にして、且つ急嶮なりし故に、車馬は通すことなかりし(後略)」とかかれています。
九段の由来については、江戸城吹上庭園の役人の官舎が坂の途中に9棟並んでいたからとも、江戸時代、急坂で九つの石段状の坂であったからもいわれています。飯田町の坂であるところから、古くは「飯田町坂」、「飯田坂」などとも呼ばれていました。
この坂上からの眺望は素晴らしいもので、江戸湾はもとより、房総の山々も見渡せたといわれています。
また、観月の名所として知られ、毎年一月と七月の二十六日を、二十六夜持ちと称し、人々が坂上で月の出を賞したということです。
INFORMATION基本情報
- 所在地千代田区九段北一丁目~九段南一丁目
- アクセス九段下駅2番、3a番、4番出口すぐ