"本の街"として知られる神田神保町。新刊書店・古書店のほか、出版社・取次(本の卸)・編集プロダクションなど、本に関わる多くの職種が集積した独特の風土があります。この特集では、そんな街の本に関する個性的なお店と、お宝にあふれた古書店を紹介。あなたも"本の沼"にハマってみては?
店内の本棚一つ一つが"小さな書店"としての役割を果たしている新たな形のお店。棚主は、初期費用と月額費用のみで新刊から古書、自費出版まで自由に本を販売できます。
幅44~55cm×高さ30.5cm×奥行27.5cmの空間に、それぞれの棚主の思いが満載。棚をじっくり眺めてみれば、日ごろ興味のなかった分野の本とも新たな出会いがあるかもしれません。
「個性豊かな棚主が選ぶ本との出会いがあります」と話すのは、オーナーの直木賞作家・今村翔吾さん。ユニクロや楽天グループのブランドクリエイティブディレクションを手掛ける佐藤可士和さんとともにお店をプロデュースしています。
お店には、「ほんがある日は一日がまる。」をイメージしたオリジナルグッズも。棚主それぞれの"こだわり沼"を眺めて感動したら、次はあなたが棚主になってみては?
中国の思想家・老子の「一見無用に思えるものにこそ本質的な価値がある」という言葉が店名の由来となっている書店。飲める本屋・読める飲み屋(喫茶店)をモットーに、神保町好きや話好きの人々が集まります。
お店には、店主の選書のほか、お客さんの選書で仕入れた本も。お客さん考案の本棚名がつけられています。
2023年の移転リニューアルでより拡充したカフェ・バーのスペースでは、コーヒーやお酒を提供。心を豊かにする一冊とともに、誰かとの交流も、ひとりの時間も楽しめます。
BOOK SHOP 無用之用 詳しくはこちら
住所 | 千代田区神田神保町 1-21-2 一和多ビル 2F |
営業時間 | 水〜木・日 14:00〜21:00 金・土 14:00〜22:00 ※イベント等による営業時間変更は随時SNSで告知 |
32の客室からなる「読書するために泊まるホテル」。黒を基調とした特別な部屋 MANGA ART ROOM=「黒の洞窟」は奥と上にベットがあり、マンガの沼に溺れて"非日常”を過ごせます。
建物内のいたるところに本が配置されたホテルは、エントランスから"本の沼"状態。各フロアのエレベーター横にも蔵書があり、宿泊者は自由に本を客室に持ち込めます。
猫のぬいぐるみと猫の本が置かれた部屋は、猫好きのリピート客から予約が殺到しているのだそう。本への愛とこだわりに満ちたホテルで、いつもとは少し違った読書体験を楽しんでみては?
BOOK HOTEL 神保町 詳しくはこちら
住所 | 東京都千代田区神田神保町2-5-13 |
TEL | 03-6380-8228 |
営業時間 | 8:00~22:00 ※チェックインは原則23時までとなります |
スポーツ専門古書店として、神保町で長年愛されている「ビブリオ」。店内には、書籍や雑誌、記念誌のみならず、メダルやユニフォームといった記念品も並んでいます。
「ミスタープロ野球」の二つ名で支持された名選手・長嶋茂雄氏のグッズは、今でも根強い人気が。大谷翔平選手の北海道日本ハムファイターズ時代のサインボールもあり、昭和から平成まで、幅広い世代の野球ファンの心に響くラインアップ。
野球だけでなく、相撲やサッカー、武道など幅広いジャンルのスポーツのアイテムが揃い、スポーツ好きなら一度は立ち寄りたい名店です。
国内でも極めて珍しい豆本専門店。そのほか、版画挿画本や児童書など美しい装丁の本も並んでいます。
豆本とは、文庫本の半分以下、手のひらに収まるようなサイズの本のこと。お店の品の中には、印刷博物館で作られた数mm角の本もあるのだそう。
意匠も美麗で魅力的な豆本は、開くと文字がぎっしり。アート作品のような仕上がりにコレクター魂をそそられます。
書店は店主が敬愛する童話作家・版画家の武井武雄作品の収集にも定評があり、同氏の童話『ラムラム王』の商標使用権を持っているのはこの店のみ。豆本を買って、レアな包装紙をゲットしてみては?
音楽に関連するアイテムを扱う「ビブリオ」の店内には、書籍や写真集、会報誌からパンフレットやチケット、ポスターまであらゆる資料が満載。80年代、90年代の雑誌のバックナンバーは約1万冊と、圧巻の蔵書数を誇ります。
お店で扱うジャンルは、日本のロックを中心に、シティ・ポップや洋楽などさまざま。ロックを愛する店主との会話を楽しめるのも、このお店の魅力です。
店内には、1966年に初来日したビートルズ公演の半券や、裏表紙の「Paul McCartney」の綴りが異なるビートルズ来日記念の写真集も。自分の好きなジャンルのアイテムを売ったり買ったりするのはもちろん、今では決して手に入らないレアな品々に会いにいくのもよいかもしれません。
1918年(大正7年)創業。古い映画のポスター・パンフレット、演劇・映画関連書籍、戯曲、シナリオ等の宝庫です。
店舗の拡大によって、音楽関連の書籍・CD・レコードもレパートリーに入ったそう。廃刊となった雑誌や絶版書籍など"そこでしか手に入らない”ものもあり、ビビッときたら「即買い」が鉄則です。
書棚にはLPレコードも並び、こちらも同じく先手必勝!映画マニアやプロの俳優、パンフレット目当ての子どもなどさまざまな人が訪れるお店は、親しみやすい雰囲気に満ちています。