樋口一葉 【ひぐち いちよう】

1872年~1896年
  • ヒストリー&カルチャー
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明治期の女流作家。内幸町の東京府庁内長屋(現・内幸町一丁目五付近)の生まれ。本名奈津、夏子とも書いた。歌塾「萩の舎」に入塾。ここで三才女の一人と謳われる。姉弟子の田辺花圃の書いた『薮の鶯』が評判を得たことから、半井桃水に師事し小説家としての一歩を踏み出す。番町界隈は、萩の舎で同門だった田辺花圃、島田政子、中村禮子らが住み、しかも師でもあり思慕していた半井桃水が住む家が平河町にあり、日記にはたびたび登場する。馬場孤蝶、平田禿木らの『文学界』の若い同人たちとも交わりながら、わずか二年半の間に珠玉の作品『大つごもり』『にごりえ』『たけくらべ』などを発表し文壇に旋風を巻き起こすが、その絶頂のとき、わずか二十四歳八か月というあまりにも短かい生涯を閉じる。